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活用事例

2024/07/19

ゲームの枠を超え、バトルロイヤルからメタバースと発展「フォートナイト」スペシャル対談 Vol.1

ゲームの枠を超え、バトルロイヤルからメタバースと発展「フォートナイト」スペシャル対談 Vol.1

従来は「フォートナイト=バトルロイヤル」という捉え方をされることが多かった『フォートナイト』ですが、実際にはすでにメタバースとしての立ち位置へと発展しています。『フォートナイト』の中に「バトルロイヤル」も「レゴ®フォートナイト」もあって、他にも様々なコンテンツがあって、ユーザーが作ったコンテンツも増え続けています。その中でプレイヤーは、今日は何をして遊ぶかを友達とチャットしながら決めたり、アニメのコラボを通して実際にその作品を見たり、こうしたさまざまな広がりを持つデジタル空間の中で、人々がソーシャライズしているのが『フォートナイト』です。
また、『フォートナイト』では、ユーザー自身が作った「島(マップ)」と呼ばれるユーザー生成型コンテンツ(UGC、User Generated Contents)のように比較的簡単な操作でゲームを作って、世界中のユーザーに向けて提供できる仕組みも用意されています。さらに、その中で適正なレベニューシェアが行われることで、コンテンツを作っているクリエイターに売上が適切に分配され、クリエイターがビジネスできる環境も作りつつ、ユーザーにはよりたくさんの選択肢を提供しています。
トランスコスモスでは、EbuActionとパートナーシップを結び、お客様企業がゲームメタバースプラットフォーム『フォートナイト』上でプレゼンスを高めることができるようビジネス支援を行っています。本対談では、メタバースビジネスを提供している事業者の視点と、フォートナイトメタバース制作を手掛ける開発者の視点で、フォートナイトメタバースの世界や未来、フォートナイトがビジネスに与えるインパクトなどについて、3回にわたって対談をお届けします。

トランスコスモス×EbuActionの共同制作実績はこちらをご覧ください

※バトルロイヤル:バトルバスに100人のプレイヤーが乗り込み、一斉に巨大な島に上陸。武器やアイテムを収集しながらバトルを行い、最終的に生き残った1名(もしくは1チーム)が勝利するというルールのゲーム。

野田 慶多
BORDER代表 / 株式会社EbuAction CEO
2007年生まれ。eスポーツチーム 「KAWAZ」のGMとしてフォートナイト部門をアジア総合優勝に導く。その後、15歳の時に株式会社EbuActionを設立。現在はNEIGHBORと共同で国内向け受託特化のフォートナイトメタバース制作スタジオ「BORDER」を運営。
X:@noda_fn
BORDER公式サイト

光田 刃
トランスコスモス株式会社 C X事業統括 D X推進本部 メタバース推進部 部長
2009年トランスコスモス株式会社入社。コンタクトセンター事業のサービス設計・運営、企画、営業を経験後、責任者としてマーケティング部門を立ち上げ。2022年よりWeb3やメタバース関連の新規事業開発・立ち上げに注力し、2023年2月にメタバース推進部を新設。現在は「フォートナイト」「Roblox」「ZEPETO」を活用した法人向けコンテンツの開発・提供を開始し、メタバースを活用したビジネス、マーケティングの責任者を務める。
講演実績として、「第2回メタバース総合展」特別講演、企業のメタバース導入 ~目的、効果、クリエイターとの共創から生まれる価値~、「Metaverse Japan Summit 2023」にて、メタバースを利用した経営戦略~メタバースビジネスの社会実装~など様々な分野でメタバースマーケティングの啓蒙活動を進めています。

15歳で起業した野田さんのルーツに迫る

光田:さっそくですが、まずは野田さんのルーツに迫りたいと思います。フォートナイトでどのようなビジネスの活動をされているのか、具体的な取り組みを教えてください。

野田:はい。私は「EbuAction」のほかにも、「NEIGHBOR」というゲーム制作スタジオと共同で、フォートナイトに特化した「BORDER」というフォートナイトメタバース制作スタジオも運営しています。具体的には、総ユーザー数が5億人いる『フォートナイト』というEpic Gamesのプラットフォームの中で、企業様と一緒にメタバースコンテンツを作って運営しています。

光田:ここで読者の皆さんに知っておいていただきたいが、野田さんの年齢です。野田さんは今おいくつですか?

野田:私は今、17歳です。

光田:株式会社EbuActionを立ち上げたのは何歳の時ですか?

野田:「EbuAction」は、15歳の時に設立しました。現在も若いメンバーで頑張ってスタジオを運営しています(笑)。

光田:15歳ですか(笑)。なぜフォートナイトを企業向けのビジネスとして考えるようになったのか、そのきっかけを教えてください。

野田:私はフォートナイトがずっと好きで、フォートナイトを始めてから、プレイヤーとして5年目になります。私は学校を転々としてきたバックグラウンドがあるのですが、フォートナイトの中にアクセスして、フォートナイトの中で友達のコミュニティができて、でも、学校ではできないみたいな(笑)。リアルの活動では自分がコミュニティに馴染めなかったんですけど、フォートナイトのメタバース空間の中であれば、自分に合ったコミュニティが見つけられるので、どんどんフォートナイトに没頭していきました。

光田:そうだったんですね。

野田:先日、フォートナイトの総ユーザー数が4億人から5億人となり、著しく成長を遂げている中で、ここまでユーザー規模が大きくなり、実体験としていろんなユーザーとコミュニケーションができて、かつ、その中でいろんなゲーム体験ができることに対して、ビジネスとして活用ができるのではないかと考えました。

光田:なるほど。

野田:フォートナイトには5億人のユーザーがいて、ユーザーによる様々なコンテンツがあげられていて、YouTubeやTikTokといった既存のソーシャルメディアと似たような動きになっているので、フォートナイトは次のYouTubeやTikTokになるんじゃないか、と。企業がYouTubeやTikTokに企業向けコンテンツを制作したり、広告出稿したりしているように、フォートナイトでも企業がゲームコンテンツを作る世界観が来るのではないかと思いまして、企業様向けにフォートナイトのコンテンツを制作する会社として立ち上げました。

光田:それを15歳の若さで考えられるのはすごい(笑)。たしかにフォートナイトやRobloxは、常にオンラインで世界中のユーザーとつながることができて、ゲーム内でユーザー同士が交流することで楽しめるようになっているので、新しいソーシャルメディアの形だと言われていますよね。YouTubeやTwitch(ゲーム専用のライブストリーミング配信プラットフォーム)などでのゲーム実況動画が増え、視聴者同士でコメントしたり、攻略の参考にしたり、次に購入するゲームの情報収集源として楽しんでいます。ここをビジネス化して展開し、その若さでやっていけるのがすごいなといつも感心しています(笑)。

野田:ありがとうございます!

企業はフォートナイトでどのようなコンテンツを出すべきか?

光田:野田さんはフォートナイト歴5年と仰っていましたが、12歳からフォートナイトに触れていたということですね?

野田:そうですね。でも今だと6歳でフォートナイトを始めて、11歳でYouTubeの実況をやって、登録者10万人います、みたいな(笑)。そういう形でどんどん早熟化している現象が起きていますね。

光田:α世代も増えているというわけですね。現在のフォートナイトのユーザー層やアクティブユーザー数、プレイヤーが多い国を教えてください。

野田:フォートナイトは任天堂SwitchやソニーのPlayStationでも遊べるので、全体的に若年層が多いのが特徴です。国別ですとアメリカやヨーロッパ地域で人気がありまして、日本ユーザーは世界の7%〜10%くらいを占めています。日本はマンスリーアクティブユーザー(Monthly Active Usersの略。以下、MAU)ベースで推定500万人くらいと言われています。

光田:なるほどですね。海外だとMAUはどのくらいですか?

野田:平均値としては大体7,000万人くらいですが、大きなイベントがあった時に1億人を突破したケースもあります。

光田:ところで、フォートナイトでゲームを作るメリットは何ですか?

野田:本質的にはサーバー費がかからないことですね。Epic Gamesがフォートナイトの環境を用意してくれたことでカルチャーができあがって、従来の方法よりは安価にゲームが届けやすくなったところにあります。

光田:フォートナイトは100人まで同時に入れて、かつ、その中でコミュニケーションを取ることもできれば、ゲームに没頭することもできるっていうのが最大の特徴ですよね。さらにいうと国内や海外問わずボーダー(国境)を超えてコミュニケーションできるのが強みではないか、と。

野田:はい。弊社が石油プラント工場さんと鬼ごっこのコンテンツを作った時も、「鬼ごっこ」って世界共通の体験だったりするので、わざわざ英語のマニュアルを用意しなくても、非言語のコンテンツとしてグローバルに遊んでもらえるのがすごく魅力ですね。

光田:今後、企業各社はフォートナイトでどのようなコンテンツを出していけばいいでしょうか?

野田:そうですね。企業が訴求していきたい商材を、どうエンタメやゲーム要素として落とし込んでいくかが大事になります。たとえば、熊本県さんの「くまモン島」の事例でいいますと、熊本を舞台に観光名所の熊本城や特産品のトマト、公式キャラクターのくまモンが登場しますが、“タイクーン(英語:Tycoon)”と呼ばれる街づくりをしていくゲームを通じて熊本県をPRしています。街づくりという観点だと1つの要素だけでなく、複数の要素を作っていくことが可能なので、熊本城を建てる、トマトの収穫をするといった能動的な体験ベースで訴求したい軸をフォートナイトで人気の“タイクーン”というゲーム性と絡めて出しています。

光田:なるほど。

野田:フォートナイトの中で人気のゲーム性があって、そこに対して企業が訴求したい要素を入れて、それをどのように組み合わせたら一番自然な形でアウトプットできるのか?を考えるのがいいと思います。企業が訴求したい要素も押し出せるし、ゲーム性としてもおもしろくなるので、私たちはそのような形で企業のコンテンツとして出していくことが多いですね。

光田:では、BtoB向けの商材を扱っているような企業の場合はどうでしょうか?

野田:また石油プラント工場さんの事例で恐縮ですが、子供たちに「工場」に興味を持ってもらうためにフォートナイトでコンテンツを作りました。そこで「工場」にゲーム性やエンタメ性を入れてあげることによって、あくまで子供たちにとっては工場が舞台で、メインはゲームを楽しむわけですが、実は工場ってこんな構造になっているんだ!こんなにカッコいいんだ!というのを知ってもらうことができて、かつ、頭に刷り込まれていくんです。一見、BtoBのようなエンタメに落としづらそうな商材であっても、要素を訴求することはできるので、幅広い業界でフォートナイトメタバースを活用できるのではないか、と思っています。

光田:企業のブランディングにもつながりますよね。

野田:はい、その通りです。

  • 著者

    メタバース情報局編集部

    メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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