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コラム

2026/09/02

なぜ自治体はFortnite/Robloxを活用するのか?渋谷の事例に学ぶ施策設計

なぜ自治体はFortnite/Robloxを活用するのか?渋谷の事例に学ぶ施策設計

近年、自治体によるメタバース活用が広がる中で、
FortniteやRobloxといったゲームメタバースの活用が進んでいます。

従来の施策が「情報発信」にとどまっていたのに対し、
これらのプラットフォームは体験そのものを設計するメディアとして使われ始めています。

実際に当社が関与した渋谷区のメタバース施策においても、
FortniteおよびRobloxは、単なるPRではなく「体験設計の手段」として活用されています。
では、なぜ自治体はこれらのプラットフォームを活用するのか。

本記事では渋谷の事例をもとに、その背景を「構造」で整理します。

この記事でわかること

  • 自治体がFortniteやRobloxを活用する理由
  • 従来の自治体施策との違い
  • FortniteとRobloxの役割の違い
  • 渋谷区のメタバース活用事例
  • 自治体施策における体験設計の考え方

FortniteやRobloxは単なるPRツールではなく、自治体が若年層との接点創出や社会課題の理解促進、行動変容を目指すための「体験インフラ」として活用され始めています。

なぜ自治体の情報発信は若年層に届きにくいのか

まず前提として、自治体が抱える課題があります。

従来の施策

  • 観光PR
  • イベント開催
  • SNS発信

課題

  • 若年層に届かない
  • 一方通行の情報伝達
  • 継続的な接点が作れない

特に10代から20代前半の世代は、自治体のWebサイトや広報誌に日常的に接触する機会が限られています。そのため、従来の情報発信施策だけでは十分な接点を作ることが難しくなっています。

つまり
👉 「知ってもらう」から先に進めない

なぜ自治体はFortniteやRobloxを活用するのか

自治体がFortniteやRobloxといったゲームメタバースを活用する理由は、
以下の3つの構造で整理できます。

  • 若年層との接点を獲得できる
  • 行動変容を設計できる
  • 社会課題を体験として伝えられる

① 若年層との接点を「獲得」できる

Fortniteは「イベント型施策」と相性が良い

  • イベントを通じた瞬間的な接触
  • 話題化・拡散力

Robloxは「継続的な接点づくり」と相性が良い

  • 圧倒的な若年層ユーザーベースへの日常的な接点
  • 滞在・コミュニティを通じた継続接触

役割整理
👉 どちらでも接点は獲得できる。「瞬間的に触れる」か「日常の中で継続的に触れる」かの違い

② 行動変容を「設計」できる

Fortniteは短期的な行動変容を促しやすい

  • イベント参加
  • ミッション型体験
  • 短期的な行動変化

Robloxは継続的な接点形成や長期的な行動変容につながる可能性がある

  • 繰り返し体験
  • 継続的な接触
  • 長期的な行動変容につながる可能性

役割整理
👉 「瞬間的に行動を促す」か
  「継続的な関与につなげる」か

③ 社会課題を「体験に変換」できる

これはFortnite・Robloxのどちらでも実現できる領域です。

  • 混雑・ゴミ問題 → 来訪分散・マナー啓発の体験
  • 観光 → 仮想体験
  • 教育 → 学習体験

役割整理(重要)
👉 「情報として伝える」のではなく「体験として理解してもらう」

どちらのプラットフォームでも設計可能であり、目的とターゲット層に応じて選択します。

自治体がメタバースを活用する目的

近年では全国の自治体でもメタバース活用が進んでいます。
メタバースの活用領域については
「メタバースは結局、今どこで使われているのか」でも詳しく解説しています。

活用テーマとしては、

  • 観光振興
  • 移住促進
  • 教育
  • 地域イベント
  • 地域課題啓発

などが挙げられます。

自治体によるメタバース活用は、単なる話題づくりではありません。
その中でも渋谷区の事例は、若年層へのマナー啓発や意識改革を目的とした施策として展開されている点が特徴的です。

活用目的は大きく分けて以下の3つです。

  • 若年層との接点創出
  • 地域への関心喚起
  • 行動変容の促進

従来のWebサイトやSNSが「情報を伝える」施策だとすれば、FortniteやRobloxは「体験を通じて理解を促す」施策として活用されています。

渋谷の事例に見る特徴

渋谷区の事例では、ゲームメタバースを活用して若年層との接点創出と社会課題の啓発を行い、その効果を調査・検証している点が特徴です。

実際に自治体によるゲームメタバース活用がどのように設計されているのかを理解する上で、渋谷区の事例は参考になります。

この考え方は、渋谷区および渋谷未来デザインの取り組みにも見ることができます。

渋谷では、2020年に国内初となる自治体公認のメタバース「バーチャル渋谷」が立ち上げられるなど、リアルの都市と連動したメタバース活用が早期から推進されてきました。

この取り組みは、複数の企業や団体が連携しながら、エンターテインメントやイベントを通じて新しい体験価値を提供するプロジェクトとして展開されており、都市とデジタル空間を接続する試みとして発展しています。

こうした流れの中で、近年の取り組みとして展開されたのが、FortniteおよびRobloxを活用したメタバース施策です。

渋谷区では、ハロウィン時期におけるゴミ問題や混雑という社会課題を背景に、
Fortniteを活用したメタバース施策が実施されました。
従来、路上に人が集中することで発生していた課題に対し、
リアルへの来訪を分散しつつ、別の形で体験を提供する手段として採用されています。

さらに、ハロウィン施策では

  • Fortniteでのイベント実施
  • 翌年にはRobloxでのゲーム施策

と、どちらのプラットフォームもイベント型(スポット)の施策として活用されています。

👉 イベント型施策は特定のプラットフォーム専用ではなく、目的とターゲットに応じて選べることを示す事例です

また、これらの施策は単なるプロモーションではありません。渋谷未来デザインが推進する「渋谷グッドマナープロジェクト」の一環として位置づけられています。

👉 「行動変容」を目的として設計されている

実際に、施策接触者において

  • 渋谷に対する印象変化
  • 行動意識の変化

が確認されており、
体験を通じて、現実の行動や意識に影響を与える効果が報告されています。

行動変容の調査リリースはこちら

👉 事例 → 効果 → 検証まで成立している

施策設計としての示唆

この事例から導ける重要なポイントは以下です。

① 体験として設計する

  • 情報ではなく体験
  • 参加型設計

② 目的とターゲットからプラットフォームを選ぶ

  • イベント型の体験施策は、FortniteでもRobloxでも設計できる
  • 各プラットフォームのユーザー数・ユーザー層(現状はデイリーアクティブユーザー約1.3億人のRobloxが圧倒的)と、想定ターゲットの重なりを確認して選ぶ

③ 社会課題と接続する

  • ゴミ問題
  • 混雑問題

👉 「話題」ではなく「課題解決」で設計する

結論|自治体メタバースは「広報」から「行動設計」の時代へ

FortniteやRobloxは、自治体にとって単なる情報発信の手段ではありません。
重要なのは、どちらのプラットフォームを使うかではなく、

住民や来訪者にどのような体験を提供し、どのような行動変容を促したいのか

という設計です。

渋谷区の事例が示しているのは、
メタバースは「発信の場」ではなく「行動を設計する場」になりつつある
ということです。

自治体施策もまた、情報提供中心から体験設計中心へ移行し始めています。
FortniteやRobloxの価値は、仮想空間を作ることではありません。参加者が体験を通じて理解し、行動し、地域との関係性を深める仕組みを設計できることにあります。

自治体におけるFortniteやRobloxの活用は、広報施策ではなく「体験を通じて理解と行動を促す施策」として位置づけられ始めています。

  • 著者

    メタバース情報局編集部

    メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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