2024/05/02
現在、メタバースの活用が最も進んでいるのがオンラインゲームの分野です。SNSが発展している現在において、フレンドや他プレイヤーとコミュニケーションしながら気軽に楽しめるメタバースゲームは、若い世代を中心に大きな人気を集めています。また、国内外で急成長しているeスポーツにおいても、メタバースの活用が積極的に行われています。
そこで今回は初心者でもわかりやすいように、ユーザー数の多いメタバースゲーム10選をご紹介します。
※NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)は遊びながら稼げるゲームとして、最近ではニュースなどで取り上げられることもありますが、NFTゲームには、詐欺プロジェクト・ハッキング・規制の変更・投機的な価格変動・ゲームの継続性など、さまざまなリスクがあります。
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INDEX
©2023, Epic Games, Inc.
Fortnite(フォートナイト)は米Epic Gamesが2017年にリリースした、基本プレイ無料のオンラインゲーム。Nintendo Switch、PS4/5、Xbox、PC、モバイル端末などのデバイスからプレイ可能となっており、ゲーム機しか所持していない小さな子どもから大人まで、誰もがフォートナイトにアクセス可能です。
最後まで生き残ることを目指して100人のプレイヤー同士で争う「バトルロイヤル」モードが有名ですが、自分で制作したコンテンツを公開できる「クリエイティブ」モードなどのゲームモードが存在します。2023年12月7日には、3つの新作ゲーム「Rocket Racing」(超音速アーケードレースゲーム)、「Fortnite Festival」(リズムゲーム)、そしてサバイバルとクラフトを組み合わせたフォートナイトの全く新しいアドベンチャー「LEGO® Fortnite」がローンチされました。
人気の「クリエイティブ」モードでは、自分の島で自由にコンテンツを制作・公開することが可能。自分で作ったゲームをフレンドと遊んだり、他ユーザーが公開したゲームをプレイしたりして、楽しむことができます。現在では世界中のクリエイターがオリジナルの島を公開しており、多くの人が遊ぶことで収益になる仕組みも導入されました。「バトルロイヤル」のイメージが強いフォートナイトですが、「クリエイティブ」モードが大きな盛り上がりを見せています。
2023年第4四半期のデータによると、総ユーザー数は5億人以上、月間アクティブユーザー数(Monthly Active Usersの略。以下、MAU)は1億人を超え、国内だけでも推定MAUは500万人を有し、圧倒的なユーザー数を抱えるメタバースへと発展しています。
画像引用元:Roblox
Roblox(ロブロックス)は、ユーザーがゲームを作成・共有し、他ユーザーが作成したゲームをプレイできるオンラインゲーミングプラットフォームです。ユーザーが作った多種多様なオンラインゲームを基本無料でプレイできるのに加え、友達と一緒にプレイしたり、おしゃべりしたり、アバターをカスタマイズしたり、自由に楽しむことができます。
2004年に米国で設立され、α世代を中心に爆発的にユーザーを獲得し、21年3月にニューヨーク証券取引所に上場しました。RobloxはDAU(Daily Active Usersの略。デイリーアクティブユーザー数)7,150万人を有する、世界を代表するメタバースの1つです。
Robloxは、ゲームを題材としたUGC(ユーザー生成コンテンツ)提供プラットフォームとして、すべてのゲームがユーザーによって作られており、専用ゲームエンジン「Roblox Studio」で950万人がクリエイターとしてゲームを制作・公開しています(2022年1月時点)。プレイヤーの半数以上が13歳以下の小学生であることから「放課後の遊び場」、その高い収益性から「ゲーム版YouTube」とも呼ばれています。
また、UGCプラットフォームとしてだけでなく、グローバルブランドや有名企業とのコラボ、教育現場での活用など、多用途化している点がRobloxの特徴です。「Robux(ロバックス)」という独自の仮想通貨が流通する活気のある仮想経済を築きつつあります。
画像引用元:VRChat
VRChatは、通常のSNSと同様、VR上でいろいろな人と交流ができる世界最大のソーシャルVRプラットフォームです。友達と雑談したりゲームをしたり、空間上にあるビデオプレイヤーでYouTubeを流してみんなで観ながらわいわいしたり、学校の放課後のような雰囲気があります。
ユーザーは好きなアバターの姿でチャットや音声通話、身振り手振りなどを通じてコミュニケーションを取ることが可能です。コミュニケーションはVRChat内に存在する無数の「ワールド」と呼ばれるバーチャル空間内で行われ、ユーザー自身がワールドを作成したり、そこでイベントを開いたりすることもできます。また、ユーザー主体のイベントや公式公認の有料イベントなどが数多く開催されており、その熱量は年々高まっています。
VRChatはPCからもアクセス可能ですが、Meta QuestなどのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)からアクセスすることで、まるで同じ部屋にいる人と会話しているような体験をすることができます。昨今では、VRデバイスを通じてメタバースにアクセスするユーザーが大幅に増加しており、MAUは400万人を突破し、世界を代表するVR/メタバース空間に成長しています。
画像引用元:NAVER Z
韓国に本社を置くNAVER Zが運営するZEPETO(ゼペット)は、カメラアプリで有名な「SNOW」から派生したソーシャルアプリ。数あるメタバースの中でも、特にファッション感度が高いZ世代がはまっているメタバースがZEPETOです。誰もが理想の姿で仮想世界の中で自分を表現し、他ユーザーとコミュニケーションをしながら、クリエイターとして成長できる新しい形の創作ツールといえるでしょう。
GUCCIやディズニーなどの有名ブランドやIPとコラボレーションをしており、アバターが身に着けるアクセサリーやメイク、ネイルまで400万以上ものカスタマイズが可能で、アバターを通じた自己表現が可能です。また、アバターのポーズやダンスを撮影して他SNSでシェアしたり、ワールドに集まってアバター同士でテキスト/ボイスチャットやゲームによる交流ができたり、メタバース上でアバターを軸としたソーシャル活動が行えます。さらに、「ZEPETO Studio」を介した数百万人のクリエイターが活発にUGC(ユーザー生成コンテンツ)を制作しています。
総ユーザー数は4億6,000万人(2023年11月時点)、MAUは2,500万~3,000万人を突破。ユーザー層はZ世代とα世代が全体の9割、女性比率が7割以上を誇っていることから、ZEPETOには120を超えるグローバルブランドやIPコンテンツが参入し、ファッションアイテムの販売やイベントを通してマーケティングやブランディングに活用されています。
画像引用元:Minecraft
Minecraft(マインクラフト)、通称“マイクラ”は、3Dブロックで構成された仮想空間の中で、ものづくりや冒険が楽しめるゲーム。「ワールド」と呼ばれる仮想空間の世界には、草原や湿地、砂漠、雪原など現実世界を模した多様な地形が広がっていて、プレイヤーはその中で、石や土、木や鉄などさまざまな種類のブロックを集めて道具や建物を作ったり、知らない場所に冒険に行ったりして楽しみます。
マインクラフトは、2011年にスウェーデンのゲームスタジオ「Mojang」とゲームクリエイターのマルクス・ペルソン(通称ノッチ)によって開発されたオープンワールド型サンドボックスゲームです。マイン(=mine)が鉱山、クラフト(=craft)が手仕事・手作業を意味し、マインクラフトは砂場で自由に遊べる感覚と似ていることから、サンドボックス(=砂場)ゲーム※と呼ばれています。
現在はMicrosoftが運営しており、PC版マインクラフトは累計2.38億個、モバイル版は1.3億個もの数が販売されており、NetEase社が発売するマインクラフトの中国語版は4.25億回もダウンロードされています。2016年に4,000万人だったマインクラフトのMAUは2023年には1.65億人を突破しています。
※サンドボックスゲームはゲームのジャンルの一つ。プレイヤーに明確な達成すべき目標やストーリーを用意せず、提供した世界観の中で自由に行動するタイプのゲームのこと。
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画像引用元:Rec Room
Rec Roomは、世界中のプレイヤーが集まって、さまざまなマルチプレイアクティビティを楽しめるVRソーシャルゲーム。Meta QuestやPlayStation VRなどのほか、スマートフォン(iOS/Android)でも体験可能。Apple Vision Pro版のリリースも予定されています。
プレイヤーはカスタマイズ可能な自分のアバターと部屋を持ち、ゲームプレイで手に入る新たなカスタマイズアイテムで個性的に着飾ることができます。遊べるアクティビティはシューター系やスポーツ系の対戦ゲームから、ファンタジー世界を冒険する協力型クエストまで多種多様。運営が用意する本作オリジナルのゲームだけでなく、プレイヤーが作ったゲームもあり、自分でゲームを作ることもできます。
そして自室から一歩外に出れば、世界中のプレイヤーと交流することが可能。公共のロビー「Rec Center」をはじめ、各アクティビティの待ち合いスペースや誰かの自室には多くのプレイヤーが集まっており、ボイスチャットの言葉がわからなくても、握手やグータッチなどのジェスチャーでコミュニケーションを取ることもできます。フレンドや気の合った仲間同士でコミュニティグループ「Club」に参加し、つながりやすくすることも可能です。
2016年にリリースされたRec Roomは、2022年6月末には、累計ユーザー数が7,500万人を突破したことが報じられました。
画像引用元:cluster
東京都品川区に本社を構えるクラスター株式会社が運営するcluster(クラスター)は、2017年6月に登場したメタバースプラットフォーム。アプリの総ダウンロード数は100万回以上(2022年7月)、累計総動員数は2,000万人を突破した、日本最大のメタバースプラットフォームです。
日本企業が運営するプラットフォームなので、すべて日本語表記になっており、日本人のメタバース初心者の方が始めやすいサービスと言えるでしょう。アプリを無料インストールすればVRデバイスがなくても、スマホ・PCでメタバースを始められます。
ユーザーは3Dアバターを選んでバーチャル空間に入り、企業や個人クリエイターが作ったワールドを散策したり、自身でワールドを作ったりすることも可能。clusterアプリ内で自分だけのワールドを作ることができる機能「ワールドクラフト」を使って、自分だけのオリジナルワールドを作れるほか、clusterが提供する開発キット「Cluster Creator Kit」を、ゲームエンジンUnityに導入することで、エフェクトやBGM、道具を配置することも可能です。
cluster内に渋谷を再現した「バーチャル渋谷」内で行った「バーチャルハロウィーン2023」には、延べ150万人が参加し、話題となりました。オリジナルの空間作成に関して、個人利用は自由ですが、商用目的のビジネス利用はクラスター社に制作依頼をする必要があります。
画像引用元:©2022 METAP INC.
元素騎士オンラインMETA WORLD (以下、元素騎士オンライン)とは、日本発の大人気MMORPGタイトル「エレメンタルナイツオンライン」にブロックチェーン技術を取り入れ、ユーザー自身がゲーム内のコンテンツ制作、販売を通じてメタバース世界での経済圏を創出していく「Play and ECO」要素が追加されたNFTゲームです。このECOには、経済(Economy)と生態系(Ecosystem)、そして日本で節約の意味で使われるエコ(Economical/Eco-Friendly)という3つの意味を持たせているそうです。
誰でも無料でアカウントを作成すればゲームに参加できるため、NFTゲーム初心者でも気軽にプレイすることができます。また、ゲームで手に入れたアイテムをNFTマーケットプレイスで売却するだけでなく、自身が制作したアバターの装備などを販売することでお金を稼ぐことができる点も特徴の一つです。
2022年11月30日に正式リリースを迎えた元素騎士オンラインですが、前作の「エレメンタルナイツ」は日本のみならず台湾や中国でも人気を誇り、累計ダウンロード数はこれまで800万以上を記録しています。
3DMMO(多人数参加型)RPGとなっている元素騎士オンラインでは、ソロプレイだけでなく、クエストが行き詰まった際には友人や他プレイヤーと協力しながらクエスト攻略を進めることができます。ドラゴンクエストなどのプレイ経験がある方にとっては馴染みの深いゲームプラットフォームと言えるでしょう。
メタバースだからこそ広がる経済コミュニティはすでに30万人規模で、すでに本作のトークンがステーキングランキングで世界2位を記録し、ブロックチェーン業界の記録を塗り替えていることもあって注目されています。
画像引用元:The Sandbox
The Sandboxはイーサリアムのブロックチェーン技術を基盤とした、ユーザー主導のNFTゲームです。基本プレイ無料で始められ、ゲームとして楽しめるだけではなく、無料ツールで作成したボクセルアート(立方体でデザインされた3D作品)を販売すれば収益を得ることもできます。
ユーザーは、The Sandbox内のLAND(土地)を購入またはレンタルすることで、LAND上でオリジナルゲームやアイテムの作成や、イベントの開催、ショップの設置などが可能です。さらに、所有するLANDやアイテム、キャラクターをNFTとしてプラットフォーム上で自由に売買することができます。
2012年にリリースされたThe Sandboxは、2018年にAnimoca Brandsが買収し、イーサリアムのブロックチェーン技術が導入されました。以降、ユーザー数が増加して、ダウンロード数は4,000万回、MAUは100万人(2019年10月時点)を突破。The Sandboxは、2020年3月にスクウェア・エニックスなどから201万ドルの出資を受けるなど、165以上のブランドとパートナーシップを結んでいます。
Decentraland(ディセントラランド)は、イーサリアムブロックチェーン技術を活用した仮想ソーシャル空間であり、分散型メタバースです。Decentralandは、カリフォルニアを拠点とする非営利団体「Decentraland Foundation」が世界中の投資家や企業から支援を受けて開発を進めており、DAO(分散型自立組織)による運営がなされています。
ユーザーは、Decentraland上のLANDを購入し、そのLAND上にコンテンツやアプリケーションを作成し、コンテンツを収益化するだけでなく、日々のコミュニティ主導のさまざまなイベントに参加し、交流することができます。
Decentralandには、ブロックチェーン技術により構築された独自のエコシステムが存在しており、ユーザーは独自トークンであるMANAを使って、LANDやアバターの衣服、ユーザーネームといったメタバース上で使用できるアイテムをNFTとして取引することが可能です。
また、Decentralandでは2022年に続き2回目となる「メタバース・ファッションウィーク2023(MVFW23)」が2023年3月28日〜31日まで開催されました。参加ブランドはDOLCE&GABBANA、COACH、ADIDAS、TOMMY HILFIGER、DNKYなど。合計22社が参加し、最新ルックを紹介するほか、コンペティションやコンテスト、ランウェイショー、アフターパーティーなどが行われています。
これまでのゲームといえば、ゲーム制作会社などで作られたストーリーや展開に沿って進めていくものが主流でしたが、メタバースゲームではプレイヤーが自由にカスタムして遊び、自らゲームを作ることもできます。また、現実世界のように他プレイヤーとコミュニケーションを取ったり、自分の好きな空間を作り上げたりすることも可能です。
メタバースゲームは、近年成長を遂げている分野です。今後さらに社会に普及していく可能性が高いため、企業のコラボレーションや新たなビジネス展開の可能性が広がっていくでしょう。
著者
メタバース情報局編集部
メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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