2023/11/14
公開日:2023年11月14日
最終更新日:2026年4月16日
― リアル回帰時代に、メタバースオフィスはどう位置づけられるのか ―
メタバースオフィスを取り巻く環境は、2024年頃から大きく変化しています。
一時的なブームが落ち着き、「試す」段階から「業務や組織運営に定着しているか」という視点での情報が求められるようになりました。
本記事では、2026年時点で実際に使われているメタバースオフィス/バーチャルオフィスの活用事例をもとに、内容をアップデートしています。
INDEX
メタバースオフィス(バーチャルオフィス)という言葉は広く知られるようになりました。
一方で「日常業務で本当に使われているのか」「どのような企業に向いているのか」と疑問を持つ方も少なくありません。
2026年現在、メタバースオフィスは
「先端的な取り組み」ではなく、用途を限定して活用する業務ツールとして整理されつつあります。
すべての企業に必要なものではありませんが、目的が明確な場面では確かな効果を発揮しています。
この記事でわかること
メタバースオフィス(バーチャルオフィス)とは、
インターネット上の仮想空間に構築されたオフィス環境を指します。
利用者はアバターを通じて空間に参加し、
といった活動を行います。
Web会議ツールと異なり、
「同じ空間に集まっている感覚」や「偶発的なコミュニケーション」が生まれやすい点が特徴です。
2026年現在、メタバースオフィスの活用は大きく二つに分かれています。
重要なのは、「どちらが優れているか」ではなく、
目的に応じて使い分けられているという点です。
米国の不動産仲介企業 eXp Realty は、
フルリモートを前提としたメタバースオフィス運営を実践している代表的な企業です。
物理的なオフィスを持たず、世界中に分散したエージェントが、
仮想空間上のオフィスを日常的に活用しています。
といった活動を、メタバースオフィス内で完結させている点が特徴です。 この事例は、
メタバースオフィスが組織インフラとして成立し得ることを示していますが、
同時に「フルリモート文化が前提である」という条件も明確に示しています。

※ eXp Realty が全社で活用している「eXp World」の空間イメージ(公式ワールドツアーより)
eXp World Tour – In 90 Seconds
リモート環境におけるコミュニケーション課題や、メタバースオフィスがどのように社内コミュニケーションを補完するかについては、「メタバースを社内コミュニケーションで活用するメリットと事例を紹介」でも詳しく解説されています。
伊藤忠商事は、内定者・学生向けにメタバースを活用したイベントを継続的に実施しています。
単なるオンライン説明会ではなく、
といった体験設計に力を入れている点が特徴です。
「説明する」のではなく
「体感してもらう」ことによる理解促進が狙いとされています。
なお、採用や内定者フォローといった文脈でのメタバース活用については、「メタバース採用とは?種類やメリット、活用事例を紹介」で、活用パターン別に整理されています。
GMOペパボは、開発合宿や社内交流など、
社内利用を起点にメタバースオフィスを活用してきた企業です。
まず自社で使い、
を検証したうえで、
企業・自治体向けのメタバース活用支援へと展開しています。
この流れは、メタバースオフィスを
現場視点で磨き上げ、実務ツールとして位置づけた事例といえます。

GMOペパボでは事業化以前から、社内イベントや交流の場として バーチャル空間を活用する取り組みを行っており、
その様子は同社の エンジニアブログでも紹介されています。
https://tech.pepabo.com/2021/03/12/virtual-osan/
なお、国内企業における具体的な導入事例として、 トランスコスモスがご支援した NEXTスタッフサービス様のメタバースオフィス導入事例を紹介しています。 メタバースオフィスを活用し、全国各地のオフィスで働く従業員同士の企業内コミュニケーションをどのように支援しているのかを、実務の視点から確認できます。
メタバースオフィスと一口に言っても、
プラットフォームごとに得意な役割は大きく異なります。
ここでは、技術的な分類ではなく、実際の利用目的や活用シーンに基づいて、
メタバースオフィス/バーチャルオフィスの代表的なプラットフォーム例を整理します。
メタバースオフィス主要プラットフォームの役割別比較
| 用途・役割 | 代表的なプラットフォーム | 主な利用シーン | 向いている企業タイプ |
| 日常業務・ 常設オフィス | oVice / Gather | 出社と在宅が混在する日常業務、雑談・相談 | ハイブリッドワークを採用している企業 |
| 採用・研修・ イベント | cluster | 会社説明会、内定者フォロー、研修 | 採用に体験価値や一体感を求める企業 |
| 教育・将来人材接点 | Roblox | 探究学習、業界理解、 キャリア教育 | 中長期の人材育成や認知形成を重視する組織 |
| フルリモート 組織基盤 | eXp World | 全社的な業務拠点、研修、 社内イベント | 完全分散型・グローバル組織(海外事例) |
2026年時点で成果を出している企業の多くは、
1つの空間ですべてを賄おうとせず、役割を分けて使い分けています。
メタバースオフィスは、フルリモートや拠点分散型の組織、または採用・研修など体験を重視する場面で効果が出やすい傾向があります。
一方、対面中心の業務では必ずしも必要とは限らず、自社の働き方や目的に合わせた検討が重要です。
メタバースオフィスの選択は、空間の次元ではなく、運用コスト・操作性・定着させやすさで考えることが重要です。軽量なタイプは日常業務に組み込みやすく、没入型は採用や研修など目的が明確な場面で効果を発揮します。
重要なのは空間の次元ではなく、「そのオフィスをどれだけ無理なく使い続けられるか」という視点です。
メタバースオフィス導入の成否は、
技術そのものよりも、業務設計・体験設計の精度に左右されます。
本記事では、2026年時点でのメタバースオフィスの活用パターンや判断軸を整理しましたが、
実際に導入を検討する際には、
といった、より実務的な観点が必要になります。
こうしたポイントをまとめた資料「メタバース×オフィス」解説ホワイトペーパーを提供しています。

著者
メタバース情報局編集部
メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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