2026/04/23
画像出典:adidas・adidas arrives on Roblox
https://news.adidas.com/partnerships/adidas-arrives-on-roblox–bringing-the-iconic-three-stripes-to-a-range-of-digital-products/s/358d9708-121f-4e9f-b34d-8186266eea0f
Z世代・α世代へのリーチが年々難しくなるなか、
小売・消費財企業の広告施策は転換点を迎えています。
海外では、こうした課題に対する一つの答えとして、
Robloxを広告施策に組み込む動きが広がっています。
本記事では、Robloxを「メタバース広告」として活用する海外事例をもとに、
小売・消費財企業が成果を出すための設計ポイントを整理します。
Robloxの海外活用事例全体像については、Roblox海外事例まとめ|メタバース企業活用で日本企業が学べる5つのポイントでも解説しています。
INDEX
Robloxにおける広告は、従来のWeb広告やSNS広告と考え方が大きく異なります。
これがRoblox広告の本質です。
ユーザーは広告を視聴させられるのではなく、
自ら参加し、遊び、滞在することで
結果的にブランドと接触します。
そのため、
という特性を持ちます。

画像出典:Walmart Inc.
Walmart’s New Virtual Experience “Walmart Discovered”
https://corporate.walmart.com/news/2023/09/26/walmarts-new-virtual-experience-walmart-discovered-is-inspired-by-the-community
2021年〜2023年にかけて、海外の大手ブランドがRoblox上に「常設ブランドワールド」を立ち上げ、世界的に注目を集めました。
注目すべきは、その多くが初期に作ったワールドの公開を終えた後も、形を変えながらRoblox上での若年層接点をつくり続けている点です。常設ワールド、UGC、別エクスペリエンス、リアル連動──運用スタイルは多様化しており、日本企業が今から検討するうえで重要な示唆になります。
Walmartは2022年9月、Roblox上に「Walmart Land」「Universe of Play」を公開。ショッピングや仕事体験を模したワールドを通じて、若年層の生活空間にブランドを溶け込ませる設計を行いました。
Walmart Landは2023年9月19日に非公開化されましたが、Walmart自身は別のエクスペリエンス「Walmart Discovered」を公開し、Roblox上でのブランド接点を継続しています。
加えて傘下のSam’s ClubもRoblox上に「Cake Off」「Chained (2 Obby)」「Paradise RP」といった新規ゲームを展開し、若年層向けのリアル特典(実店舗割引など)と連動させる形でRobloxを継続的な顧客接点として再設計しています。Walmartグループとしては、常設ワールド一本から複数エクスペリエンスの並列運用へ運用の形を変えながら継続しているのが現状です。
adidasはRoblox上に自社エクスペリエンスを立ち上げた後、UGC(アバター向けデジタルアイテム)での展開に軸足を移し、現在はRoblox上で3000アイテム以上を販売しています。常設ワールドを維持するのではなく、ユーザーが日常的にブランド要素を身につけられる”流通型”の運用へと形を変えた事例です。
ブランドワールドとUGCは二者択一ではなく、目的に応じて重心を置き替える選択肢として運用されている点が、adidasの示した道筋です。

画像出典:Chipotle Mexican Grill PRNewswire配信資料
https://www.prnewswire.com/news-releases/chipotle-launches-ingredient-quest-experience-on-roblox-and-more-than-1-million-in-free-chipotle-for-cinco-de-mayo-302440928.html
2024〜2026年に登場した事例は、最初から「常設運用」「学習性」「既存ブランドゲームとの統合」を前提に設計されており、Roblox活用の実装手法がより成熟してきていることを示しています。
Chipotleは2025年4月29日、Robloxに「Ingredient Quest」を公開。プレイヤーが53種のバーチャル・イングリディエント・カードを収集すると、実店舗の無料メニューに交換できる設計で、体験→実購買への接続を明示的に組み込みました。
Chipotleは2022年の「Burrito Builder」以降、継続的にRoblox活用を重ねており、単発キャンペーンではない積み上げ型運用のモデルケースです。
e.l.f. Beautyは fintech企業 Chime と組み、Z世代向けの金融リテラシー学習体験としてRoblox上に「Fortune Island」を展開。広告というより共創・学習コンテンツに近い設計で、α世代・Z世代との関係構築を狙っています。
FIFA公式はRoblox上に期間限定ではなく常設の公式体験を構築し、adidasなど既存スポンサーを自然に統合。複数企業が関与する運営型メディア空間として機能しており、2025年のRobloxブランドゲームで上位に食い込んでいます。
前述のとおり、Walmart傘下のSam’s Clubは単独ブランドワールドではなく3タイトルを並列展開し、リアル店舗の割引やキャンペーンと連動させる設計を採用。母艦(ブランドワールド)を持たない運用スタイルとして注目されています。
ここで示されているのは、「Robloxにブランドを置く」のではなく「Robloxでブランドを運用する」という実装のかたちです。形を変えながら継続している大手事例(Walmart・adidas)と合わせて読むと、Roblox活用の現実的な選択肢の幅が見えてきます。
体験の一部として存在するため、ユーザーの拒否反応が起きにくい。
数秒の視認ではなく、数分〜数十分単位で接触します。
ユーザー自身が「入る」「遊ぶ」「選ぶ」。
👉 広告=受動 という前提が覆ります。
Roblox広告を成功させるためには、
以下の設計が不可欠です。
「作って公開」で終わる設計は持続しにくい一方、運用・更新・接続を前提にした設計、あるいは状況に応じて形を変えていく運用こそが継続成果につながります。
Roblox広告のフォーマットやKPI設計については、【2026年版】Roblox広告とは? Image Ads / Video Adsの全体像で詳しく解説しています。
Robloxは教育や人材育成の文脈でも活用が進んでいます。
Roblox広告は、「メタバース上にある広告枠」ではありません。体験そのものを広告に変え、運用・更新で継続させる設計手法です。
Walmart・adidasといった先駆ブランドは、常設ワールドからUGC、別エクスペリエンス、リアル連動へと形を変えながらRoblox上の若年層接点を持ち続けています。Chipotle、e.l.f.、FIFA、Sam’s Clubといった最近の事例は、最初から運用・学習・接続を前提にした設計によって、再現性ある成果を生みつつあります。
小売・消費財企業にとって、
を考えるうえで、Robloxは現実的な選択肢になりつつあります。
近年では、Roblox活用は広告にとどまらず、採用や人材領域にも広がっています。

著者
メタバース情報局編集部
メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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