2026/01/28
2025年4月、Roblox(ROBLOX)とGoogleの提携により、広告業界に新たな潮流が生まれています。
両社は「Rewarded Video(報酬型動画広告)」をプログラマティック広告として導入し、ブランドやクリエイター、そしてユーザーにとって革新的な体験を提供する仕組みを構築しました。
本記事では、この提携の狙いと仕組み、広告業界における意義、日本市場での実践例と応用可能性について詳しく解説します。
INDEX
Robloxは、世界中で数億人のユーザーを抱えるメタバースプラットフォームです。
今回の提携は2025年4月に発表され、Googleの広告配信技術を活用し、Roblox内で報酬型動画広告をプログラマティックに配信できる仕組みが導入されました。
報酬型動画広告とは、ユーザーが広告動画の視聴を自ら選択(オプトイン)すると、ゲーム内通貨やアイテムなどの報酬が付与される仕組みです。単なる「表示型」の広告と異なり、ユーザーの能動的な選択と価値交換を前提に設計されている点が特徴です。
Googleの配信技術を活用したプログラマティック対応により、ターゲティング、入札、配信最適化、可視性・不正対策までの運用が高度化します。結果として、広告主の運用効率や到達精度の向上が期待でき、媒体・クリエイター側も在庫価値の最大化が見込まれます。
従来の広告は、ユーザーが受動的に見るだけでした。しかし報酬型広告では、ユーザーが「広告を見る」という行動に対してゲーム内で価値ある報酬が付与されます。例えば、広告を視聴することで限定アイテムやゲーム内通貨を獲得できるため、広告は“楽しみながら報酬を得る体験”に変わります。この仕組みは、広告を「煩わしいもの」から「価値ある選択」へと転換する重要なポイントです。
広告業界は、テレビ・新聞などの4マス媒体、SNS広告、動画広告、そしてメタバース広告と多岐にわたります。今回の報酬型動画広告は、特にデジタル広告領域における革新です。
従来のディスプレイ広告やSNS広告は、クリックや視聴を促す仕組みが中心でしたが、報酬型広告は「ユーザー体験」を軸に設計されています。これにより、広告効果の最大化とブランド価値の強化が同時に実現可能となります。さらに、Googleのプログラマティック技術により、ターゲティング精度と運用効率が高まり、広告主にとってROI改善の可能性が広がります。
ゲーム内通貨、限定スキン、アクセサリー、イベント参加キーなど、タイトルや体験設計に応じて多様な報酬が検討可能です。ユーザーの動機づけを丁寧に設計することで、視聴完了率や満足度の向上が期待できます。
(例)
1) プレイヤーがゲーム内で報酬型動画の視聴を選択
2) 動画を最後まで視聴(スキップ不可の時間設計も可)
3) 報酬の受け取り(通貨や限定アイテム)
4) 受け取った報酬で次の行動を促進(ステージ解放、クラフト、イベント参加など)。
この一連の流れが、広告視聴をコンテンツ体験の拡張に位置づけます。
ブランドにとって、報酬型動画広告は単なる広告枠の購入ではなく、ユーザーとの接点を深める手段となります。広告を視聴することでユーザーがゲーム内報酬を得る仕組みは、ブランド体験をポジティブにし、認知度や好意度の向上につながります。こうしたエンゲージメントの積み重ねが、結果として広告投資の効果(ROI)改善に寄与する可能性があります。
クリエイターにとっては、ゲーム内に自然に広告を組み込むことで、新たな収益源を確保できます。従来のバナー広告や単純な動画挿入と異なり、ゲーム進行を阻害しないタイミング・導線で広告を組み込めるため、体験品質を保ちながら収益化を図りやすくなります。従来のバナーや単純挿入型の動画に比べ、ユーザーが自発的に選ぶ(opt-in)点が大きな違いです。ユーザーが能動的に広告を選択するため、体験を損なわずに収益化できる点が特徴です。
広告設計の工夫次第では、ゲーム内報酬と連携した仕組みを取り入れることで、ユーザー体験を損なわずに広告収益を増やす“新たな収益導線”を構築できる可能性があります。これはRoblox公式発表には含まれていませんが、メタバース広告の進化を考える上で重要な視点です。
Robloxを初めて学ぶならこちら:世界的ヒットの理由と活用方法
日本では、スマートフォンゲームやメタバース関連サービスが非常に高い人気を誇ります。すでに国内の一部ゲームアプリでは、報酬型動画広告が導入され、ユーザーが広告視聴によってゲーム内通貨やアイテムを獲得する仕組みが一般化しています。こうした事例は、報酬型広告がユーザー体験を損なわずに広告効果を高める有効な手段であることを示しています。

今後、メタバース領域での報酬型動画広告は、さらに幅広い分野に展開できる可能性があります。
例えば、ブランドタイアップイベントとの連動により、広告視聴でリアルイベントへの参加権やクーポンを獲得できる仕組みは、オンラインとオフラインをつなぐ新しいマーケティング手法として注目されるでしょう。また、教育や研修分野への応用も考えられます。学習型メタバースにおいて、報酬型広告を活用することで、学習意欲を高めるインセンティブ設計が可能になるかもしれません。
このように、日本市場ではエンターテインメント領域だけでなく、ブランドマーケティングや教育分野においても、報酬型動画広告は新しい価値を生み出す潜在力を秘めています。
RobloxとGoogleの提携は、広告を「体験価値」に変える大きな一歩です。報酬型動画広告は、ブランド・クリエイター・ユーザーの三者にメリットをもたらし、日本市場でも大きな可能性を秘めています。まだまだ日本市場での実証実験は少ないですが、マーケティング担当者の皆様は、今後の戦略にこの新しい広告モデルを取り入れることで、競争優位性を確保できるかもしれません。
Roblox公式:Roblox Launches Rewarded Video Ads, Partners With Google to Scale Immersive Advertising
https://corp.roblox.com/newsroom/2025/04/roblox-scales-video-ads-partners-with-google
Marketing Dive(配信:Yahoo! Finance):提携概要
https://finance.yahoo.com/news/roblox-scales-rewarded-video-ad-161500779.html
TechCrunch:関連報道
https://techcrunch.com
The Motley Fool:関連報道
https://www.fool.com/
A. ユーザーが広告視聴を選択すると、ゲーム内通貨やアイテムなどの報酬が得られる仕組みです。2025年4月にGoogleとの提携が発表され、プログラマティック配信に対応しました。
A. 限定アイテム付与による体験拡張、ブランドタイアップとクーポン配布によるO2O施策、教育・研修メタバースでのインセンティブ設計などが考えられます。
A. 受動的な“表示”ではなく、ユーザーが能動的に視聴を選び、対価として報酬が得られる“体験型”である点が大きな違いです。

著者
メタバース情報局編集部
メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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