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コラム

2024/03/22

デジタルファッションとは?活用事例やメタバースについても解説

デジタルファッションとは?活用事例やメタバースについても解説

低迷を続けていたアパレル業界にもテクノロジーの波がやって来ています。近年、若者を中心に注目を集め、仮想世界とNFTマーケットに新たな価値を投じてきた「デジタルファッション」。
本記事では、バーチャル空間で着る、撮る、共有する、所有する「デジタルファッション」の可能性とは何か、これによってファッション業界の何が変わるのか。また、メリットや活用事例を交えて、デジタルファッションに欠かせないメタバースやNFTについても解説します。

デジタルファッションとは

SNSやゲーム上の“自己表現”や“コミュニケーション”に欠かせないものとなっている「デジタルファッション」。ゲーム内のキャラクターに着せるスキンや、アバターの見た目を変える衣装、ARアプリで試着できるデジタルデータのスニーカーなどが、メタバース内での自己表現を拡張するアイテムとして人気を呼んでいます。
デジタルファッションとは「現実世界」で着用するものではなく、ARで着るファッション(AR技術を活用し、実際に衣服を身につけることなく、疑似的に試着できる技術)、VRで着るファッション(仮想現実の世界で体験できるファッション)、アバターに着せるファッションのどれも、「デジタルファッション」に当てはまります。自分の写真や映像にデジタルフィッティングして楽しむこともでき、お気に入りのデジタルルックを共有することが可能です。
また、現物を作らずデジタルでしか存在しないアイテムを扱うブランドもあります。2018年にオランダの「The Fabricant(ザ・ファブリカント)」という世界初のデジタルファッションハウスが誕生して以降、欧米を中心に多くの有名ブランドがデジタルファッションに参入しています。
さらに最近では、「デジタルアイテム」と「リアルアイテム」が連動した取り組みも登場しています。たとえば、現物のTシャツに付いているNFCタグをスマートフォンにかざすことでNFTが獲得できたり、NFTを購入するとフィジカル(=リアルなアイテム)が受け取れたりするもので、「フィジタル(フィジカル×デジタル)」とも呼ばれています。デジタルデータだけで完結していたデジタルファッションに物理的なアイテムがクロスオーバーすることで、新しい価値を生む流れが拡大しています。

デジタルファッションのメリットとは

ここからは、なぜデジタルファッションが注目を集めているのかを、以下3つの観点から解説します。

2-1. サステナブルなファッションを実現できる

世界2位の環境汚染産業であるアパレル産業は、製造工程での環境汚染や廃棄物の多さといった環境への影響が大きな課題となっています。その点、デジタルファッションアイテムの生産は実際の衣服と比較し、CO2の排出量が97%少ない(※1)といわれており、サスティナビリティの観点からも注目を集めています。製造工程での環境汚染は発生せず、包装や輸送も必要ありません。商品データの作成から販売、取引、流通まで、すべてデジタルで完結します。購入してもインターネット上に存在するだけなので保管スペースも取りません。また、使用後に廃棄されることによる環境負荷もないため、持続可能なファッションといえます。

(※1)参考:2021年12月27日 FASHION TECH NEWS「デジタルファッションの土壌をつくるプラットフォーム:DRESSX」(https://fashiontechnews.zozo.com/philosophy/dressx)

2-2. NFTと紐づけて資産価値や希少性を担保できる

デジタル資産にブロックチェーン上で取引履歴を管理できる「NFT」を組み合わせられる点も大きなメリットです。NFTを紐づけることで「唯一無二」であることを証明し、デジタル作品の所有権や真正性を示す「証明書」として機能するため、コピーが容易なデジタルデータに資産価値を与え、希少性も担保できます。また、二次流通においてもブランドやデザイナーにロイヤリティを還元するように設定できるため、ブランドやデザイナーが継続して収益を確保することが可能です。

2-3. デジタルネイティブ世代を獲得できる

今後、ファッション販売のメインターゲットとなっていくのは、ネット上で長時間過ごすことに慣れているデジタルネイティブ世代です。彼らはECサイトでのショッピングやゲーム内でのアイテムの購入なども日常的に行っており、メタバース上でデジタルファッションを購入することにも抵抗がありません。新たな顧客として、こうしたZ世代やα世代にアプローチすることは大変有効です。
アバターをカスタマイズすることは新しい“自己表現”の形となっており、クリエイティブエージェンシー「Virtue Worldwide」が発表した調査レポート「The Screenwear Paper」によると、「(調査した3000人のうち)82%がすでに何らかのデジタルアイテムを購入したことがあり、そのうち約3分の1の人がデジタルファッションを購入している」実態が明らかになり、デジタルファッションの需要が高くなっていることを伝えています。オンラインで活動する若い世代にとって、デジタルファッションは身近なものになっているのです。

デジタルファッションの分類

現在、身近に浸透しているデジタルファッションの使い方は、大きく分けると4つに分類されます。

3-1. 人間が実際に着用するもの(NFCタグ付きアイテムなど)

画像引用元:RIMOWA x RTFKTコラボレーションの世界

スーツケースブランド「RIMOWA(リモワ)」は、デジタルファッションブランド「RTFKT(アーティファクト)」とのコラボレーションを始動。2022年10月にNFTコレクション「RTFKT x RIMOWA Meta-Artisan Collection」を発売。スーツケース888点とロボット2222点が抽選で販売され、合計3,110点が完売しました。ともにスナップチャットでAR機能を楽しむことができます。
また、2023年5月29日から6月5日まで、スーツケースNFTホルダーがフィジカルアイテムに交換申請できるforgingイベントを開催。交換申請すると、RTFKT特別限定版「ワンダースミス」Anti-FUDパターンプリントを採用したリアルのスーツケースが配送されます。スーツケースはNFCチップを備えているため、所有者は拡張現実を使用して物理的なアイテムを追跡することも可能。スーツケースのNFTを購入すると、実物のスーツケースも入手可能になる“フィジタル”なプロダクトの事例です。

3-2. 人間がデジタルを通して着用するもの(ARファッションなど)

画像引用元:OUI SPEAK FASHION

2023年9月10日まで開催された全米オープンテニスにて、高級ジュエリーブランドの「Tiffany & Co.(ティファニー)」は、Snap Inc.(スナップ社)及び全米テニス協会と提携し、来場者へ没入型のARミラーを用いたインタラクティブな体験を提供しました。
会場に設置された体験型ブースでは、来場者がハイテクARミラーを覗き込むと、ダイヤモンドがちりばめられたデジタルテニスラケットでバーチャルスイングをして遊んだり、優勝トロフィーに触れたりすることができます。鏡を通して、実際にバーチャルアイテムを持っているような写真を撮ることも可能です。
近年、実店舗を持つファッションブランドでは、ARの応用で店舗とオンラインの両方の試着プロセスを効率化したいというニーズが増加の一途を辿っています。

3-3. アバターなど人間以外が着用するもの(ウェアラブルNFTなど)

画像引用元:NOBORDERZ

2022年6月、メタバース「XANA(ザナ)」を開発するNOBORDER.z FZE(ノーボーダーズ)は、同社のNFTマーケットプレイス「XANALIA」において、株式会社キャラクタービジネス研究所との共同プロデュースにより、株式会社ヒロココシノと提携し、XANAのメタバースアバターが着用できるウェアラブルNFTを販売しました。
今回のNFTプロジェクトは、世界的トップファッションデザイナーであるコシノヒロコ氏による「ヒロココシノ 2022年春夏コレクション」から10ルック、商品点数29アイテムを、XANAが同プラットフォームのアバター用に3Dウェアラブル化。両者にとって初のアバターウェアラブルNFTであり、発表と同時にファッション業界でも大きな注目を集めました。事前販売の購入予約開始と同時に世界中から応募が集まり、販売と同時にわずか45分で限定500NFTが完売しました。
ゲームなどのメタバース空間で纏うデジタルファッションアイテムの販売が好調で、中でもNFTを通じた唯一性を持つデジタルファッション「ウェアラブルNFT」の価格は高騰しており、リアルアイテムと連動した取り組みなども登場して、その価値と将来性が注目されています。

3-4. 鑑賞・コレクション用(NFTファッションなど)

画像引用元:ブルガリ ジャパン株式会社

2023年7月、イタリアの高級宝飾品ブランド「BVLGARI(ブルガリ)」は、3人のコンテンポラリーアーティストを起用した“Serpenti Forever top handle bag(セルペンティ フォーエバー トップハンドル バッグ)”のカプセルコレクション「SERPENTI IN ART(セルペンティ イン アート)」を発表しました。
本カプセルコレクションでは、「BVLGARI」のバッグなどのアクセサリーカテゴリーにて初めてNFTを導入。それぞれのバッグごとに3D映像があり、アーティストによるテーマの背景やブランドのサヴォアフェール(長年の歴史や匠の技)を探るなど、購入者は各バッグの魅力をさらに知るデジタル体験を楽しむことができます。
デジタルデータとして作成されたファッションアイテムに、NFTを掛け合わせることで「唯一性」を持たせたNFTファッションは、メタバースやゲーム、SNSなどにおいてコレクションしたり、二次流通で利益を得たりと、さまざまな活用法が期待されています。

デジタルファッションの先駆者的ブランド

現在、デジタルファッションを専門とするブランドが次々と登場しています。デジタルファッションの先駆者的なブランドを通じて、デジタルファッションがどのようなものかをご紹介します。

4-1. The Fabricant(ザ・ファブリカント)

画像引用元:The Fabricant

オランダ・アムステルダムに拠点を置くデジタルファッションブランド「The Fabricant(ザ・ファブリカント)」。2019年5月にデジタルファッションのオートクチュールコレクションを発表し、以降デジタルファッション業界を牽引しています。デジタル限定の高級ドレス「Iridescence Dress」は、NFTのオークションにて約1万ドルで落札されました。

4-2. Tribute(トリビュート)

画像引用元:TRIBUTE BRAND

3Dモデリングやコーディング経験者たちが集まって2020年に立ち上げたデジタルファッションブランドであり、非接触型のサイバーファッションを提供しています。コロナ禍で外に出られず、SNSへアップするためだけに洋服を購入している若者が増えていることに気づき、実物を作らないサステナブルなファッションを始めました。

4-3. RTFKT(アーティファクト)

画像引用元:NIKE公式

販売開始7分で310万ドル(約3億3480万円)の売り上げを記録したRTFKTは、2020年に3人のクリエイターによって創設され、バーチャルスニーカーを中心としたデジタルファッションコンテンツを展開しています。創業から2年でNFT業界での地位を確立し、NIKEに買収されたことでNFT業界だけでなく、ファッション業界からも一躍注目を集めました。

4-4. DRESSX(ドレス・エックス)

画像引用元:DRESSX Roblox

2020年に立ち上げたDRESSX(ドレス・エックス)は、デジタル・オンリーの衣服・NFTファッションアイテム・ARルックのメタクローゼットを展開している、デジタルファッション最大のプラットフォーム。プラットフォームサービスでは、ユーザーが着用したいデジタル衣服を選択・購入し、自分の全身写真をサイトにアップロードすると、後日購入したアイテムを着用した画像が送られてくる仕組みです。
DRESSXのデジタルファッションアイテムは、SNSでのシェア、メタバースでの着用が前提で作られており、Roblox、Decentraland、Horizon Worlds、ZEPETOでの着用のほか、DRESSXアプリでのAR試着が可能になります。

日本発デジタルファッション取り組み事例

欧米を中心に始まったトレンドですが、日本でもデジタルファッション業界へ参入している企業が出てきています。

5-1. XXXXTH(フォックス)

画像引用元:XXXXTH

「XXXXTH(フォックス)」は、日本発のデジタルファッションブランドです。現実世界とメタバースを横断する時代を楽しく過ごせるようなデジタルウェアを提供しています。
2021年、NFTマーケットプレイスOpenSeaにて、メタバース化された東京をテーマにした第1弾コレクション「ネオ東京-“人気”に潜む光と闇-」の販売を開始。SNSの通知に連動して点滅するバーチャルスニーカー、アンチアカウントを通報するネックレスなど、ストーリー性のあるデジタルウェアが展開されています。
2022年にOpenSeaで販売が開始された「AI-SCREAM(アイ・スクリーム)」は、AIに対するクリエイターの悲鳴をテーマにしたプロジェクトで、AIが帽子のテキスタイルデザインを制作しています。各テーマの10作品ごとに「当たり棒」が1つだけ入っていて、当選者にはスニーカーNFTがプレゼントされます。

5-2. 1SEC(ワンセック)

画像引用元:METADRIP

日本初のデジタルファッションレーベル「1Block(ワンブロック)」を運営する1SEC(ワンセック)が、2022年にNFTをARで体験可能にするスマートフォンアプリ「METADRIP(メタドリップ)」をリリース。METADRIPは、デジタルファッション資産やNFTを単なる観賞用のデジタルアートやPFP(Profile Pictureの略称。SNSなどのプロフィール画像として使用するNFT)で終わらせるのではなく、新たな実用性のレイヤーを加え、ARテクノロジーを通じて着用を可能にしました。今後の展開としては順次ラインナップを追加し、NFT として発行されていればホルダーのみが着用/体験できるようになるそうです。
NFT市場が急速に拡大する中で登場したこのサービスは、NFTファッションのさらなる可能性を感じさせます。

5-3. ZOZO NEXT(ゾゾ ネクスト)

画像引用元:REVINAL ZOZO NEXT

ZOZO NEXTが、初のデジタルファッションブランド「REVINAL(リビナル)」を立ち上げました。2023年8月17日から、デジタルファッションプラットフォーム「DRESSX(ドレス・エックス)」で取り扱っています。DRESSXは、ユーザーが着用したいデジタル衣服を選択・購入し、自分の全身写真をサイトにアップロードすると、後日購入したアイテムを着用した自身の画像が送られてくるプラットフォームです。
「REVINAL」は、「REAL(現実)」「VIRTUAL(仮想)」「LIMINAL(境界)」「REVIVAL(再生)」に由来し、バーチャルとリアルを融合させながら自由にファッションを楽しみ、自己表現できる新たな未来を創造したいという想いが込められています。販売アイテムは、「Neo Suit」(60USドル)、「Breeze」(40USドル)などの衣類8点と、「Bubblesole Sneaker」(30USドル)などシューズ2点の計10点。現実世界でも製作可能なデザインで、写真と合わせても違和感のないよう仕上げたといいます。

デジタルファッションの活用事例

では、実際にどのような形でデジタルファッションが活用されているか、事例を挙げて紹介していきます。

6-1. デジタルファッションの「着用」

画像引用元:TOTALLY STOCKHOLM

デジタルファッションの可能性をいち早く示したのが、北欧発のリアルクローズブランド「CARLINGS(カーリングス)」。2018年11月、環境危機とSNSによる消費文化への試みとして、バーチャルインフルエンサーPerlと連携して、世界初の完全デジタルコレクション「Neo-EX」を発表しました。
このコレクションはデジタル上にのみ存在し、実在しないアイテムです。ユーザーがアイテムを購入すると、スマートフォンで撮影されたユーザーのポーズに合わせて、3Dデザイナーが実際に着ているかのように写真上の洋服を調整してくれます。この画期的な試みは、販売されるや否や完売しました。

6-2. ARミラー

画像引用元:FAST COMPANY

2023年5月5日~6月5日まで、NY発のグローバルファッションブランド「Coach(コーチ)」は、ソーホーの旗艦店のウィンドウと店内に「ARミラー」を設置しました。
Coachのウィンドウには、AR(拡張現実)でのファッション試着を提供する「ZERO10」と提携して行われた初の店頭AR試着があり、ARミラーの前で立ち止まった人々が、ブランドのアイコンであるTabbyバッグをさまざまな色とイメージで着用している様子が表示されます。さらに、店内のARミラーではバッグを閲覧したり、写真を撮ってスマートフォンに保存したり、#InMyTabby を付けてソーシャルメディアで共有したりできます。

6-3. バーチャルストア

画像引用元:CEEK Twitter

2022年1月、スウェーデン発のアパレル大手「H&M(エイチ・アンド・エム)」が、初のバーチャルストアをメタバース上にオープンしました。H&Mがバーチャルストアを出店したのは、アメリカ・マイアミを拠点とする「CEEK」が展開するメタバース「CEEK VR」。
H&Mのバーチャルストアでは、現実世界と同じように店内を歩き回り、アイテムを購入することができます。ただし、CEEK通貨(仮想通貨)でのみ購入可能で、メタバース上でのみ着用することが可能。また、今後は現実世界の実店舗でもCEEK通貨の利用を可能にしていくとのこと。

6-4. メタバースファッションショー

画像引用元:OUI SPEAK FASHION

2022年3月24日〜27日にメタバースプラットフォーム「Decentraland(ディセントラランド)」で開催された、史上初となる「メタバースファッションウィーク(通称MVFW)」。4日間にかけて行われたMVFWには、「DOLCE & GABANNA」「ETRO」「TOMMY HILFIGER」などの世界的有名ブランドも名を連ね、計60以上のブランドが参加。日本のファッションブランドとして唯一「ANREALAGE(アンリアレイジ)」が参加しました。
2022年に最も重要なデジタルファッションのイベントとなり、急成長するウェアラブル(アバター向け衣服)とデジタルファッションの世界を拡大し、世界中から10万人以上の人々が参加しました。MVFW では歴史あるファッションメゾンと新しいデジタルファッションブランドの両方が、165,000 個以上のウェアラブルを無料で配布しました。

6-5. フィジタル(デジタルとフィジカルの融合)

画像引用元:Coincheck公式サイト

「ANREALAGE(アンリアレイジ)」は、数量限定のNFTアイテムを、2023年3月にCoincheck NFT(β版)にて販売開始しました。このNFTアイテムは、2022年10月に「OASIS KYOTO」で展示されたデジタルファッションをNFT化したもので、メタバースプラットフォーム「Decentraland(ディセントラランド)」内のアバターに着せるウェアラブルNFTです。
なお、NFTアイテムの購入特典として、フィジカルアイテムが入手できます。「PATCHWORK DRESS」購入者には、リアルワンピースのフルオーダーメイド (ドレス製作および受け取り)の権利、「MOONWALK ROKO BOOTIE」購入者には、リアルシューズを受け取る権利が付与されます。

6-6. ウェアラブルNFT

画像引用元:ADIDAS VIRTUAL GEAR HP

世界的スポーツブランドの「ADIDAS(アディダス)」がメタバースへの参入を発表してから約1年、2022年11月に初のウェアラブルNFTコレクションを公開。NFTコレクション「バーチャルギア」第1弾となるアウターウェア16点の限定コレクションが販売されました。現実世界ではデザインを実現するのが難しいようなディテールが散りばめられているのが、デジタルファッションの魅力です。
アディダスのNFT保有者向けにはランダムにエアドロップされ、自身のSNSプロフィール画像への使用や、転売して利益を得ることができます。

6-7. NFTへの取り組み

画像引用元:ドルチェ&ガッバーナ ジャパン株式会社

「Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)」は、NFTマーケットプレイス「UNXD」と連携し、2021年9月に初のNFT「Collezione Genesi(ジェネシス コレクション)」を発売。9点で総額落札額1885,73イーサリアム(約565万米ドル、日本円にて約6億円)で落札されました。
男女用オートクチュールとハイジュエリーのハンドメイド・カスタムメイド権、そのデジタル版「アルタ モーダ(女性用高級仕立服)」への招待や、アトリエのプライベートツアーなど、現実世界とメタバース双方の体験価値を最大化させる、NFTのお手本的な活用方法を実現しました。

まとめ

近年、3Dテクノロジーの進化にともない、物理的な制約にとらわれず自由に楽しめるデジタルファッションの注目度が高まっており、市場規模も急拡大が予想されています。Digital Fashion Marketによると2022年のデジタルファッションの市場規模は約3.4億USドル(約460億円)で、2028年までに約1950億USドル(約26兆円)まで市場規模が拡大されると予想されています。
急成長のデジタルファッションは、デジタルファッションは今後ますます発展していくことが予想されます。AR技術や3Dスキャン技術がより精度を増していくことでよりリアルな購買体験を提供することができ、AIの技術などを活用することで膨大な情報を処理し、よりパーソナライズされたファッション体験を提供することができるようになっていくでしょう。

  • 著者

    メタバース情報局編集部

    メタバース情報局 by transcosmosはトランスコスモス株式会社が運営する法人向けメタバース情報メディアです。メタバースを活用したビジネスの事例やノウハウ、最新情報、バーチャル体験など、メタバースの魅力をお届けします。ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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