Robloxを活用している海外の事例8選 Vol.1

画像引用元：Robloxニュースリリース

ユーザーがつながり、コミュニケーションができる3D没入型メディアのプラットフォームとして、近年、世界で急速に頭角を現しているのがRoblox(ロブロックス)です。2004年の創立から一貫して伸び続け、今や世界中から1日7,950万人*1が訪れる巨大プラットフォームに成長しています。
すでに国内外のブランドや企業が独自のエクスペリエンス*2を制作し、ブランドアクティベーションを行っているほか、Roblox内ではファッションショーやコンサートといった仮想イベントも開催されています。そこで、2021年〜2022年に公開された、実際にRobloxを活用している海外の事例を紹介します。

*1　2024年8月 Roblox社発表による
*2　エクスペリエンスと総称されるゲームコンテンツやバーチャル空間

Roblox(ロブロックス)とは

米Robloxが運営するRobloxは、人と人とのつながりとコミュニケーションのための没入型プラットフォームです。Robloxは2004年に米国で設立され、米国で若年層を中心に爆発的にユーザーを獲得し、2021年3月にニューヨーク証券取引所に上場しました。Robloxの対応デバイスは、2023年9月にMeta Questに続けて、10月にはソニーのPlayStationでもプレイが可能となり、Xbox、スマートフォン(iOS・Android)、PC(Windows・MacOS)、Amazonデバイス、Meta Quest、PlayStationに対応しています。
Robloxは「みんなとつながる方法を新しく作り出す」というビジョンを持つグローバルコミュニティで、毎日約7950万人以上*1の人がRobloxにアクセスし、エクスペリエンス*2を制作したり、遊んだり、学んだりしながらバーチャル空間の中で互いにつながり、ゲームからソーシャルハングアウト、コンサート、スポーツ、ファッション ショー、教育、エンターテイメントまで、440万*3を超えるアクティブな没入型エクスペリエンスを楽しんでいます。また、Robloxにあるエクスペリエンスはすべて、プラットフォーム上の数百万人もの開発者やクリエイターから成るグローバルコミュニティによって構築されています。
Robloxはエクスペリエンス内でリアルタイムでのユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われていることや、ゲーム内通貨Robux(ロバックス)を介してアバターやアイテムを売買する経済圏が成立していることなどから、世界を有数のメタバースとして広く知られています。

*1　2024年8月 Roblox社発表による
*2　エクスペリエンスと総称されるゲームコンテンツやバーチャル空間
*3　As of 3 months ended December 31, 2023)

スケートボード関連アパレル：Vans

画像引用元：Vans

Robloxは2021年9月1日、スケートボードが楽しめる「Vans World」のリリースを発表。同エクスペリエンスは、RobloxとRobloxコミュニティ開発者The Gang Stockholm、ストリートカルチャーを牽引し続けるVansが共同で手掛けています。Vans は、スケートボード、ファッション、コミュニティを 1 つの体験にまとめた初めてのブランドとなりました。
実在する“House of Vans ”などのスケートパークにインスパイアされた「Vans World 」は、友達と一緒にいろんな場所でスケボーをしたり、BMX自転車に乗ったり、新しいトリックを覚えて披露したり、ワッフルコインを集めて新しいギアをアンロックできます。特に目玉となるのはファッション。アパレルやバッグといったVANSアイテムでアバターを着飾れるほか、ボードやシューズをカスタマイズして着用することが可能です。

世界最大手スポーツブランド：NIKE

画像引用元：NIKE

世界最大手のスポーツブランドNIKEは、2021年11月22日、Robloxに「NIKELAND」をリリース。同社のメタバースへの参入は、これが初となります。「NIKELAND」の建物やフィールドは実際のナイキ本社から着想を得ており、プレイヤーは鬼ごっこやドッジボールといった様々なミニゲームを楽しむことができるほか、Robloxのツールキットを使って、何百もあるインタラクティブなスポーツ用素材から簡単に自分のミニゲームを作って楽しむこともできます。また、アバターが着用できるNIKE製品が展示されたバーチャルショールームも設置されています。
さらに、ナイキは同年12月にファッションやスニーカー分野のNFTを手掛けるスタートアップ企業RTFKTを買収、バーチャル製品やWeb3関連の制作・展開を行うNike Virtual Studiosを立ち上げるなど、メタバースに向けた体制構築を強化しました。
2022年2月には、NBAのスター選手であるレブロン・ジェームズ氏が「NIKELAND」を訪れるイベントが開催され、レブロン氏はバスケについて語ったり、ファンとハイタッチをしたり、バスケや体を動かすミニゲームをプレイしたり、NBAファンやRobloxユーザーとのコミュニケーションを図りました。2022年3月のNIKEの発表によると、195カ国から約670万人ものRobloxユーザーがNIKELANDを訪れたとのことです。

米ファッションブランド：Ralph Lauren

画像引用元：Ralph Lauren Corporation

ラルフ ローレンは2021年12月8日、「Ralph Lauren The Winter Escape(ラルフ ローレン・ウィンター・エスケープ)」をデビューさせ、2022年1月3日までの期間限定で実施されました。本エクスペリエンスは、Roblox のコミュニティ開発者であり、ゲームデザイン・開発スタジオである Funomenaとのコラボレーションにより開発されたものです。
ホリデーシーズンをテーマにした本エクスペリエンスでは、高山の雪景色を背景に、フレンドとアイススケートを楽しんだり、焚き火台で「Ralph’s Coffee Truck」からカスタマイズしたホットチョコレートで暖を取ったり、限定アクセサリーをアンロックするための宝探しなど、ホリデーシーズンらしいアクティビティを楽しむことができます。
また、Roblox限定で発売される「ラルフ ローレン デジタルコレクション」では、プレイヤーはアバターをカスタマイズし、エクスペリエンス内の「ポロショップ」で試着して購入することが可能です。1990年代のPOLO SPORT にインスパイアされた限定デジタルコレクションでは、Polo Sport、Stadium、Snow Beach のアーカイブと現在のシーズンから、大胆な色使いとスポーティなグラフィックで作られた8種類のウィンタースポーツウェアが紹介されています。
同社は、25年以上前にブランド初の e コマースサイトを立ち上げて以来、最近では拡張現実を利用した没入型のバーチャル体験の提供やユニークなデジタル製品の発売など、ファッションで自己表現することの意味の境界を押し広げています。

米ファッションブランド：Forever21

画像引用元：VRScout

2021年12月18日、アメリカのファッションブランドForever 21は、Robloxで「Forever 21 Shop City」をオープンしました。「Forever 21 Shop City」のリリースは、メタバース関連企業 Virtual Brand Groupとの提携の下で行われました。
プレイヤーはマップ内に店舗を設置し、そのお店を経営していきます。プレイヤーの店舗は、最初は何も配置されていない状態で、コテージコアやフューチャースケープ、サイバーパンクといった建築テーマで、インテリアや照明などを配置する必要があります。タスクをクリアするとポイントが入手可能で、エクスペリエンス内の「Forever 21の旗艦店」で使用すれば、新しい家具や店舗ディスプレイを購入できます。
さらに、Robloxでは、毎月21日が「Forever 21 Day」に。この日は「Forever 21 Shop City」に新コンテンツやアクティビティが導入され、第1回はホリデーシーズンをテーマにしたアップデートが行われます。また、今後は新たなコレクションを現実世界とRobloxで同時にリリースする予定で、Roblox版は「Forever 21 Shop City」で提供され、購入することでアバターのカスタマイズに使用できます。

音楽ストリーミングサービス：Spotify

画像引用元：Spotify

2022年5月3日、音楽ストリーミングサービスSpotifyはメタバースへの参画を発表。Robloxに音楽ファンとアーティストが参加できるバーチャルワールド「Spotify Island」を始めました。
ユーザーはアーティストと交流したり、マップ上でクエストをクリアしたり、限定コンテンツをアンロックしたりできるほか、島の各地にはイースターエッグ(隠し要素)も仕込まれています。また、音楽作りで遊びたいユーザー向けには、Soundtrapを利用した「バーチャル・ビートメーカー・ステーション」で、音楽を作成したり、サウンドを探索したりすることで、没入型のオーディオ体験を楽しむこともできます。
「Spotify Island」を通じて、同社はアーティストやレーベルとより幅広いパートナーシップを開拓する狙いがあります。同社によれば、アイテムの購入などで得た売上の一部をアーティストに直接還元すると述べています。

米アパレルチェーン大手：GAP

画像引用元：GAP

大手アパレルのGAPが、2022年5月20日、Robloxにバーチャルブティックとステージを設置すると発表。GAPのバーチャルブティックとステージは、「Club Roblox」内にオープンします。
GAPの「バーチャルブティック」は、タイムズスクエアにある実店舗のギャップストアの仮想バージョンとして設計されました。ブティックでは、Gap Teenの服を試着できるほか、ファッションショーをテーマにしたミニゲーム「Style Stage」がプレイすることが可能。プレイヤーは、バーチャルジュースバーやフォトブースを利用して、自分のアバターのGap Teenのルックスやフレンドと写真を撮ることができます。
また、「ステージ」はGAPの夏の広告キャンペーンからインスピレーションを得たもので、Gap Teenのメタバースレプリカが登場。90年代のルーズデニム、ポケットTシャツ、タンクトップ、象徴的なロゴパーカーなどのコレクションが紹介されました。

スポーツブランド：PUMA

画像引用元：PUMA

プーマはワンダーワークススタジオと提携し、2022年5月23日、Robloxに「Puma and the Land of Games(プーマとゲームの国)」を開始しました。
本エクスペリエンスでは、スポーツミニゲーム、ウェイトリフティング、トラックランニングなどのトレーニングアクティビティを通じて、世界中のRobloxコミュニティの内なるアスリートを引き出す機会を提供します。この没入型の体験は、アスリートとしてPUMAブランドと契約することがどのようなものなのか、身をもって味わうことができます。
今回配信されるミニゲームは、エンドレスランナー、フットボールラッシュ、ドッジボールショーダウンの3種類。フレンドと一緒に、サッカーやドッジボール、エンドレスランナーでチームを組み、プレイヤーのレベルを上げながら新しいプーマの重ね着服やデジタルギアを集めることができます。

ラグジュアリーブランド：GUCCI

画像引用元：GUCCI TOWN

ラグジュアリーブランドのGUCCIが、2022年5月30日、Robloxに常設エクスペリエンス「GUCCI TOWN」をオープン。GUCCIのブランドをイメージした街で、自撮りやカフェスペースでのおしゃべり、グッチをイメージしたアイテムの購入や試着などができるほか、紫色のゲートをくぐると様々なゲームをプレイすることができます。ワールド内に点在する「GUCCI」のアルファベット5文字を集めるミニゲームも用意されています。

画像引用元：GUCCI Garden

また、2022年5月17日から31日までの2週間限定でRobloxに「GUCCI Garden」をオープンし、2,000万人もの来場者を記録しました。これは、ブランド創設100周年を祝した没入型エキシビション「Gucci Garden Archetypes(グッチ ガーデン アーキタイプ)」展のバーチャル展になります。ユーザーが展示空間に入ると、自身のアバターからエキシビションの内容を反映したマネキンへと姿が変わり、アバター自体がユニークなデジタルアート作品になる仕掛けです。

まとめ

ユーザーが1日に7,950万人訪れ、新たな3D没入型メディアを確立するプラットフォームの1つといわれるRoblox(ロブロックス)。Robux(ロバックス)という独自の仮想通貨が流通する活気のある仮想経済を築きつつあり、世界でもトップクラスの企業群が存在感を発揮し、顧客との関係を構築しています。 トランスコスモスは、様々なパートナーと提携する過程でクリエイターを活用し、Fortnite(フォートナイト)、Roblox(ロブロックス)、ZEPETO(ゼペット)の制作ができる体制を整備しております。クリエイターを活用したメタバースの構築をご検討されているお客様企業ならびにご担当者様は、お気軽にトランスコスモスにお問い合わせください。