2024/04/19
画像引用元:Microsoft Mesh
2024年1月25日、米マイクロソフトは「Microsoft Mesh」正式版の一般提供を開始しました。同社のコラボレーションツール「Microsoft Teams」から利用でき、3D空間でのWeb会議やコミュニケーションが可能となります。本機能は、PCおよびVR/MRヘッドセット「Meta Quest」シリーズに対応しており、アクセスするには「Teams Essentials」や「Microsoft 365 Business Basic」などのライセンスが必要です。
本記事では、Microsoft Meshの主な機能について詳しく解説します。
※製品の纏め記事です。情報等は公式から参照していますが、正確な情報等を知りたい方はMicrosoft公式サイトにお問合せください。
2023年10月、マイクロソフトは「Microsoft Mesh」プレビュー版を一部の顧客に提供開始していましたが、今回の一般公開により幅広いユーザーが「Microsoft Mesh」を使えるようになりました。
Microsoft Meshのユーザーは、3Dアバターを作成できるほか、Teamsでの3Dアバターの利用、およびバーチャル空間でのコミュニケーションが可能になります。また、専用エディターを使用し、ノーコードでバーチャル空間をカスタマイズする機能も用意されています。
マイクロソフトのWork Trend Index レポートによると、企業のリーダー層の43%が「リモートワークやハイブリッドワークにおける最大の課題は人間関係の構築である」と回答しており、ハイブリッドワークを実施している、あるいは地理的に分散している組織をサポートするために、3D没入型スペース「Microsoft Mesh」を構築。異なる場所や地域にいる人たちがアバターを介して、さまざまなデバイス上でコラボレーションしたり、共有型ホログラフィック体験に参加したり、物理的な距離があっても、実際に対面しているかのような体験を得ることが可能です。また、Microsoft Azure上で展開されているため、高度なセキュリティやプライバシー機能を利用することができます。
なお、プレビュー時点で、武田薬品工業株式会社やアクセンチュアなどのグローバル企業が導入しており、生産性の高い分散型チームを作成できる点などで多大なメリットが得られていると言います。各企業の活用事例はマイクロソフト公式サイトにて公開されています。
画像引用元:Microsoft Mesh
Microsoft Mesh は没入型の 3D 空間であり、カスタマイズ可能なアバターを使って、バーチャル会議やイベントを行うことが可能です。
Microsoft Teamsのイマーシブスペースに参加したり、Microsoft Meshのカスタムイマーシブスペースに参加したりできます。Teams会議の表示メニューから「イマーシブスペース(immersive space)」を選択すると、2 次元(2D)会議が 3D没入型エクスペリエンスに変換され、参加者全員が3D空間でコミュニケーションできるようになります。また、アバターを介して、イマーシブスペース内で同じ時間を過ごすことで、たとえ積極的に話さなくても強力な一体感が生まれるそうです。
マイクロソフトはMeshの発表当時は「メタバース」という表現を使っていましたが、今回の発表では一切使わず、「3Dイマーシブスペース(immersive space)」としています。
画像引用元:Microsoft Mesh
アバターの属性、髪や肌や目の色、衣服やアクセサリーなどを自由カスタマイズできます。イマーシブスペースに入ると、標準のTeams 会議用に作成したアバターを選択するか、新しいアバターを作成します。最大3つのアバターを保存できるため、その日の気分や会議の種類など、状況に応じてアバターを使い分けることも可能です。
画像引用元:Microsoft Mesh
大規模グループ用の会議スペースや小規模なテーブルディスカッションなど、会議のニーズに合わせて 3D 環境から1つを選択します。また、座席の位置の指定や変更、または離席にすることも可能です。 Teams のイマーシブスペースでは、一部の参加者がイマーシブスペースの外部から参加している場合でも、すべての会議出席者がコラボレーションできます。標準のTeams 会議から参加しても没入型空間の出席者との対話も可能な上、参加者が画面を共有すると、その内容は会議の出席者全員に表示されます。
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ハートやいいね、拍手などのライブリアクションや、アイコンタクトやジェスチャーなどを使用して、会議中に自分の意見を自由に表現できます。
画像引用元:Microsoft Mesh
ひとつの空間で複数グループが別々の場所で会話できる「空間オーディオ・オーディオゾーン」機能があります。また、マシュマロを焼いたり、お手玉を投げたり、楽しいアイスブレイクの質問に答えるといったミニゲームも用意されているそうです。
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画像引用元:Microsoft Mesh
従業員全員参加の大規模イベントや新入社員研修など、ビジネスニーズに合わせたカスタムの没入型スペースをMicrosoft Meshで作成することが可能です。主催者はOutlookやTeamsを使用してイベントをスケジュールしたり、Mesh で新しいイベントを作成したりできます。一方、出席者はOutlookや Teams カレンダー内で簡単に Mesh イベントを見つけることもできます。
画像引用元:Microsoft Mesh
誰でもノーコードで3D空間を簡単にカスタマイズできます。メニューバーのエディター(editor)を使用すると、コードを 1 行も記述することなく、カスタマイズが可能です。
イベント作成者はイマーシブスペースを選択し、共有 3D キャンバスに画像やビデオ、画面共有などのオブジェクトを追加して表示させることができます。また、これらのカスタマイズは組織内の誰でも再利用できるテンプレートとして保存ができます。 また、イベントを主催する際に、参加者と対話しやすくする追加機能も設定可能。参加者が挙手できるようにすることでQ&A セッションを促進することができ、主催者には挙手のリストが順番に表示されます。
画像引用元:マイクロソフト365
さらに、開発者向けのツールキット「Mesh toolkit」が提供され、Unityを使用して3D空間をカスタマイズできるようになります。インタラクション(モノを掴む、人に近寄るなど)の追加のほか、外部データ接続による統計ダッシュボードの設置、セキュリティ・プライバシー保護の強化といった機能があります。
マイクロソフトは2022年3月に「Teams」の月間アクティブユーザー数が2億7,000万人に達したと発表しており、膨大な既存ユーザーが「Mesh」の各機能をどれだけ利用するかに注目が集まっています。
仮想空間での新しいコラボレーションを可能にするコミュニケーションツールをお探しの方は、ぜひMicrosoft Meshを一度お試しください。
著者
メタバース情報局編集部
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