2025/12/23
画像引用元:Roblox
2025年、Robloxは「遊び場」から「文化のハブ」へと存在感を拡大しました。
同時接続4,500万人、1日5,000万件の検索、YouTube累計1兆回視聴、そして8,870億時間のエンゲージメント――これらの数字は、ユーザーが単にゲームを消費するだけでなく、発見し、表現し、つながり、文化を共創する主体へと進化したことを示しています。
本稿では、Roblox社が公開した公式レポートをもとに、記録的な同時接続、検索の中身、デバイス別嗜好、ハイパーローカルなニッチ、外部カルチャーとの共鳴から、2025年の潮流を読み解きます。
出典:Roblox「The 2025 Roblox Replay: Decoded Through Search and Style」(2025年12月16日)/IRリリース
※本文の数値・事例は原典の公開情報に準拠しています。
INDEX
2025年は「同時に集まる体験」でRobloxが世界規模の存在感を示した年でした。
プラットフォーム全体では8月の土曜朝に同時接続4,500万人を記録しました。個別タイトルでも記録が相次ぎ、7月に『Grow a Garden』が同時プレイ2,160万人で世界記録を樹立し、9月には『Steal a Brainrot』が2,500万人でその記録を更新しました。数字以上に重要なのは「いまこの瞬間を共有するために集まる」という行動様式が、Roblox上で常態化した点です。
短期的な話題形成から長期的なコミュニティ構築へ――「参加の物語」が体験価値の核になりつつあります。

画像引用元:The 2025 Roblox Replay: Decoded Through Search and Style|Roblox
2025年の検索トップ3は、1位『Brookhaven』(2020年)、2位『Grow a Garden』(2025年)、3位『Steal a Brainrot』(2025年)でした。一方で、検索全体の主流はタイトル名よりも「horror」「roleplay」などの広義ジャンルに集中しています。
ユーザーは新作への好奇心と定番への安心感を往復し、月間平均で21の体験を横断する行動を見せています。スポーツの『Blue Lock: Rivals』(2024年)、サバイバルの『99 Nights in the Forest』(2025年)、長寿作『Murder Mystery 2』(2014年)、シューターの『RIVALS』(2024年)など、ジャンルは多様です。12月にはRPG『The Forge』が検索で勢いを増し、「新規参入の余地」が常に存在することを印象づけました。
こうした傾向を踏まえると、個別タイトルの深掘りに加えて「ジャンル横断の発見」を促す導線設計(特集、タグ、レコメンド)を重視することで、情報探索の満足度と滞在時間の向上が期待できます。

画像引用元:The 2025 Roblox Replay: Decoded Through Search and Style|Roblox
入力方法・没入度・利用シーンの違いは検索嗜好に直結します。
こうしたデバイス別の嗜好を踏まえ、記事や特集でハイライトを設けることで、読者自身の環境に照らした“自分ごと化”を促しやすくなります。
グローバルでは9〜10月のハロウィン期に関連検索が急伸する一方、地域固有の検索ニッチも見えます。タイではロイクラトン(灯籠流し)、ドイツでは緊急サービスロールプレイ『Notruf Hamburg』、ブラジルは“futebol(サッカー)”、インドネシアやフィリピンでは“wall hop”が目立ちます。
日本ではアニメ関連が継続的に強く、2025年はY2KやHello Kittyなど、ノスタルジーと「カワイイ」を掛け合わせた美学が存在感を高めました。
こうした傾向を踏まえると、日本向けのコンテンツでは「アニメ的表現」「カワイイ文化」「レトロモダン」を軸に、UGCクリエイティブとの接合点を設けることで、検索から視聴、そして参加へとつながるループを作りやすくなります。
Robloxの検索動向は、SNSや配信プラットフォーム、リアルイベントとの“共鳴”によって加速します。2025年はミーム「67(six seven)」や映画「KPop Demon Hunters」が高密度の検索を誘発しました。
さらに『Squid Game』関連は新シーズン放送前から検索が立ち上がり、期待値の早期形成が観測されました。季節性ではハロウィンの山が毎年9〜10月に出現し、ホラー関連は通年人気の中でピークを更新します。こうした外部カルチャーの波とRoblox内の受け皿を同時に提示することで、トレンドの入口と体験の出口を一本化し、特集の回遊性を高めることができます。
記録的な同時接続、ジャンル志向の検索、デバイス別の嗜好分岐、地域差――それらが重なり合って、Robloxは2025年に文化の交差点として機能しました。
日本のメディアやブランドにとっては、「好奇心の地図」を読み解き、場に合ったコンテンツと参加の物語を設計することが、2026年に向けた勝ち筋となります。

著者
メタバース情報局編集部
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